Clásicos japoneses con furigana
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めいあん
明暗
Lee 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 322.590 caracteres · 645 pantallas
百二十五
お秀がこの叔父の世話で人となった事実は、お延にもよく知れていた。彼女が精神的にその感化を受けた点もお延に解っていた。それでお延は順序としてまずこの叔父の人格やら生活やらについて、お秀の気に入りそうな言辞を弄さなければならなかった。ところがお秀から見ると、それがまた一々誇張と虚偽の響きを帯びているので、彼女は真面目に取り合う緒口をどこにも見出す事ができないのみならず、長く同じ筋道を辿って行くうちには、自然気色を悪くした様子を外に現わさなければすまなくなった。敏捷なお延は、相手を見縊り過ぎていた事に気がつくや否や、すぐ取って返した。するとお秀の方で、今度は岡本の事を喋々し始めた。お秀対藤井とちょうど同じ関係にあるその叔父は、お延にとって大事な人であると共に、お秀からいうと、親しみも何にも感じられない、あかの他人であった。したがって彼女の言葉には滑っこい皮膚があるだけで、肝心の中味に血も肉も盛られていなかった。それでもお延はお秀の手料理になるこのお世辞の返礼をさも旨そうに鵜呑にしなければならなかった。
しかし再度自分の番が廻って来た時、お延は二返目の愛嬌を手古盛りに盛り返して、悪くお秀に強いるほど愚かな女ではなかった。