Clásicos japoneses con furigana
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めいあん
明暗
Lee 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 322.590 caracteres · 645 pantallas
彼は容易に怒らない人であった。英語で云えば、テンパーを失なわない例にもなろうというその人が、またどうして自分の妹の前にこう破裂しかかるのだろう。もっと、厳密に云えば、彼女が室に入って来る前に、どうしてあれほど露骨に破裂したのだろう。とにかく彼女は退きかけた波が再び寄せ返す前に、二人の間に割り込まなければならなかった。彼女は喧嘩の相手を自分に引き受けようとした。
「秀子さんの方へもお父さまから何かお音信があったんですか」
「いいえ母から」
「そう、やっぱりこの事について」
「ええ」
お秀はそれぎり何にも云わなかった。お延は後をつけた。
「京都でもいろいろお物費が多いでしょうからね。それに元々こちらが悪いんですから」
お秀にはこの時ほどお延の指にある宝石が光って見えた事はなかった。そうしてお延はまたさも無邪気らしくその光る指輪をお秀の前に出していた。お秀は云った。
「そういう訳でもないんでしょうけれどもね。年寄は変なもので、兄さんを信じているんですよ。そのくらいの工面はどうにでもできるぐらいに考えて」
お延は微笑した。
「そりゃ、いざとなればどうにかこうにかなりますよ、ねえあなた」