Clásicos japoneses con furigana
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めいあん
明暗
Lee 明暗 (めいあん) de Natsume Sōseki (夏目 漱石) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 322.590 caracteres · 645 pantallas
「何だいそれは。変なものを飲むな。薬かい」
今日まで病気という病気をした例のない叔父の医薬に対する無知はまた特別のものであった。彼はリチネという名前を聞いてすら、それが何のために服用されるのか知らなかった。あらゆる疾病とほとんど没交渉なこの叔父の前に、津田が手術だの入院だのという言葉を使って、自分の現在を説明した時に、叔父は少しも感動しなかった。
「それでその報知にわざわざやって来た訳かね」
叔父は御苦労さまと云わぬばかりの顔をして、胡麻塩だらけの髯を撫でた。生やしていると云うよりもむしろ生えていると云った方が適当なその髯は、植木屋を入れない庭のように、彼の顔をところどころ爺々むさく見せた。
「いったい今の若いものは、から駄目だね。下らん病気ばかりして」
叔母は津田の顔を見てにやりと笑った。近頃急に「今の若いものは」という言葉を、癖のように使い出した叔父の歴史を心得ている津田も笑い返した。よほど以前この叔父から惑病は同源だの疾患は罪悪だのと、さも偉そうに云い聞かされた事を憶い出すと、それが病気に罹らない自分の自慢とも受け取れるので、なおのこと滑稽に感ぜられた。