Clásicos japoneses con furigana
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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
Lee 林芙美子随筆集 (いなかがえり) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 58.157 caracteres · 118 pantallas
平凡な女
奥様同士が子供を連れての立話に、
「まア! お久しうございます。皆様おかわりもなくていらっしゃいますか、一番お末の方、もう、こんなにおなりでございますの?」
「ええもう八ツになりまして、一年生でございますのよ」
「あらまア、そうですか、ほんとに早いもので、宅のがもうあなた尋常四年生でございますものね」
以前の私が、道の行きずりにこんな話を聞いたならば、子供が八ツになって小学校へ行くのはあたりまえの事で、女同士の話題の狭さにぷりぷり腹をたてていたかも知れない。だが、このごろは途上でそんな立話を小耳にしても腹が立つどころか、日向でぬくぬくとしているような心温かなものを感じるし、女らしくていいものだと考えるようになって来た。一年々々と生活の垢が浸みついて来たのだろう。その垢のついたことをめでたく思い、さきのような会話にも「なごやかさ」「愉しさ」を感じるとすれば、私は市井の平凡なものに民衆の大根を感じているのだろう。
ある知識婦人が二、三人寄っての座談の記事をこのごろ読んだことがある。全く虫酢のはしるような会話ばかりであった。その女のなかのある一人は、朝夕の飯の支度の煩わしさに、弁当屋から弁当を入れさせてみたが、カロリーが足りないので止めたとか、またある一人は、小説を書く為に良人と別居生活をしているとか、足袋のつくろい