Clásicos japoneses con furigana
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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
Lee 林芙美子随筆集 (いなかがえり) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 58.157 caracteres · 118 pantallas
やけになる気持ちは大変きもちがいい。私は何度もやけになって、随分むしゃくしゃした昔だったけれども、この頃は日向ぼっこみたいだ。――小説の話は大きらい、説明や批評が少しも出来ないからだろう。ほら、お日様みたいな小説よ位の説明ならば指で丸をつくって、「ほら、こんなに円満なのさア」で、「ああそうか」と受取って貰うより仕方がないのだ。時々埃を叩くような批評を貰う時がある。辛いなと思うけれども、それで、シゲキを受けることもひといちばいのせいか、すっかり呆んやりしてしまって、腐った、魚みたいに、二、三日蒲団をかぶって寝てしまう。自分の作品がよくないからだ。一番、自分が知っているから一時はゆきばがなくなるけれども、机の前に坐り、また、こつこつ何か書き始める。私はこれが宗教だと云うようなものがあるとすれば、ただ、こつこつ書いている。その三昧境にあるような気がする。厭な言葉だけれども、私は万年文学少女なのでもあろう。
つい四、五日前、税務所のお役人が来た。お役人と云うと、胸がどきどきして、ちょうど昼食時だったけれども、御飯が咽喉へ通らなかった。私は税金を払い始めてちょうど四年になるけれども、蔭では実際辛いなと思ったことがたびたびだった。