Clásicos japoneses con furigana
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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
Lee 林芙美子随筆集 (いなかがえり) de 林 芙美子 (はやしふみこ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 58.157 caracteres · 118 pantallas
広告が新聞に出ると、私は、その十月号の執筆者の名前をみんな覚えこんだものでした。創作では、久米正雄氏のモン・アミが大きな活字で出ていました。森田草平氏の四十八人目と云うのや、谷崎潤一郎氏の卍、川端康成氏の温泉宿、野上弥生子氏の燃ゆる薔薇、里見氏の大地、岩藤雪夫氏の闘いを襲ぐもの、この七篇の華々しい小説が、どんなに私をシゲキしてくれたか知れないのです。なお、斎藤茂吉氏のミュンヘン雑記や、室生犀星氏の文学を包囲する速力、三木清氏の啓蒙文学論、河上肇氏の第二貧乏物語、ピリニヤークの狼の綻などと云ったものは、書籍一冊も売りつくして持たない私を、どんなにはげましてくれたかしれません。私の炭坑街放浪記では二ヶ月は遊んで暮らせるほど稿料を貰いました。
その頃、私は稿料と云うものなど思いも及ばなかったのです。私は、雑文を書いては、紹介状もないのにひとりで新聞社へ出掛けて行きました。朝、八時頃、堀の内を発足して丸の内まで歩いて行きますと、十一時頃丸の内に着き、そこで、新聞社に原稿を置いて帰って来るのですが、一度は夕方帰って見ると、もはや速達で原稿が送り返されて来たりしておりました。