Clásicos japoneses con furigana
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ざくろ
柘榴
山本 周五郎
Lee 柘榴 (ざくろ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 12.342 caracteres · 25 pantallas
三
「どうしても逃がせないやつだ。出来る限りの手を打て」
真沙はそのまま其処に留り、戸沢の家士が下女と留守宅へいった。……昌蔵は捉まらなかった。後でわかったのだが、そのときは菩提寺に隠れていて、追捕の手の緩むのを待って国境を脱けたのである。くわしい始末はわからなかったが、罪科は多額の公金費消ということだった。――真沙はそのまま戸沢家で、半年ばかり世話になった。
三
昌蔵には逃亡のまま斬罪の科が定り、松室の家名は絶えた。本来なら当然その妻にも御咎めがなければならない。然し仲人の責任で戸沢が奔走したものだろう、「国許お構い」ということで、その年の九月ひそかに江戸屋敷へ移された。
江戸では母方の叔父に当る小野木庄左衛門の家におちつき、やがて御殿の奥勤めに上った。初め松泉院という藩主の生母に付いたが、五年して中格にあげられ、祐筆を勤めた。このときの扶持が御切米金十五両、御合力七両二分の他に、月々薪六貫四分、炭二俵八分、水油八合、糠二升八合、菜銀三十匁で、子供を三人使うことが出来た。――それから更に六年して、二十八の年に錠口勤めとなり、三十五歳で老女になった。
ここまでは平穏で明るい生活が続いた。