Clásicos japoneses con furigana
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くわのきものがたり
桑の木物語
山本 周五郎
Lee 桑の木物語 (くわのきものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 39.815 caracteres · 79 pantallas
一
一
その藩に伝わっている「杏花亭筆記」という書物には、土井悠二郎についてあらまし次のように記している。
「土井右衛門、名は悠二郎。忠左衛門茂治の二男に生れ、わけがあって七歳まで町家に育った。八歳の春から幼君のお相手として御殿へあがり、ずっとお側去らずに仕えたが、二十一のとき致仕した。
生れつき奔放にして無埒、つねに奇矯のおこないが多く、宗眼日録には、勤めかたよろしからず、ということがしばしば挙げてある。致仕してのちは市中にかくれ、親族や旧知とも断って無為に一生を終ったという。
また上屋敷の庭の奥に、いま大木になった桑の林があるのは、泰春院さまが少年のころ、彼のすすめによって植えられたと伝えられるが、このような進言をするところなども、彼の無埒な性分のあらわれであろう。――ちなみに宗眼日録は泰春院さま御一代の記録であって、御歴代の中興であると同時に、稀世の名君といわれる侯の、生涯と治績とが詳述されてある。筆者は新泉宗十郎、のちに国老となり、宗眼と号した」
以上が記事の概略であるが、はなはだかんばしくない。「生れつき奔放無埒」とか「勤めかたよろしからず」