Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Lee 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 169.810 caracteres · 345 pantallas
「病院にしばらく入っていたんだ。ほとんど寝たっきりでね」
心は癪にさわっているけれども、肉体はくすぐったく、笑いたがっている。口も肉体の一部だから、ふつうの声を出すのに苦労をした。笑い声になりそうなのだ。
「はあ。ないほどね」
ずっと寝たきりで、運動といえば病院の廊下を歩く程度で、外出は許されてなかった。それを昨日脱出して、警戒したり力んだりして旅行した。その力んだ部分が妙な凝り方をしたのだろう。全身を揉み終ったあと、老人はまた彼にうつ伏せの姿勢を命じた。彼は枕に顔を当てて、素直にそれにしたがった。背中と腰の間のところが、急に圧迫された。拳や肱でない。もっと大きく、ずしんとした重量感がある。
〈何で押しているんだろう〉
彼はいぶかしく思い、顔を横にして、さらに横眼を遣って見上げた。するとあんまの顔が、おそろしく高いところに見えた。
「おい、おい。あんまさん」
五郎はつぶれた声で言った。
「お前さん、どこに立ってんだね?」
「お客さあの背中いですよ」
「冗、冗談じゃないよ」
とたんに腹が立って来た。
「おれの背中を踏台にするなら、ちゃんと断ってからにして呉れ。無断でひとの背中に乗るなんて、それがサツマ流か」