Clásicos japoneses con furigana
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さくらじま
桜島・日の果て・幻化
梅崎 春生
Lee 桜島・日の果て・幻化 (さくらじま) de 梅崎 春生 (うめざきはるお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 169.810 caracteres · 345 pantallas
リンガエン上陸以来、空を飛ぶのは米機のみであった。敵が「我が腹中に入る」のを待って大挙日本の航空勢力が活動を開始するに違いない。その日をむなしく待ちながらサンホセ北口では日々に死傷の数を重ねて行った。軍医を送れ、と言う使いが北口から宇治の隊に何度も何度も来た。使者の兵ですら顔色は蒼黒く濁り、眼は憤るように血走っていた。これが戦場の顔であった。そのまま持って来た戦場の表情であった。
南口を扼する此の隊にしても、見習軍医が一名とわずかの衛生兵がいるだけに過ぎない。食糧不調と風土病と斬込みの際の負傷者のため、それだけでは手が廻りかねる状態である。しかも米軍が南口からの侵入を企図したならば更に多数の傷者が出ることは火を見るより明かなことであった。侵入の気配を斬込隊により僅かに阻止しているとはいえ、それが何時までつづくか判らない。しかし北口の情況は使者の連絡を待つ迄もなく焦眉の急を告げている。如何なる事情があろうとも花田中尉を呼び返し、北口に廻す外はない。最後の使者が選ばれた。高城衛生伍長が隊長の命を受け花田中尉のもとに急行した。そして昨夜遅く、高城伍長はむなしく戻って来た。