Clásicos japoneses con furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lee 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 198.400 caracteres · 387 pantallas
「健一さん、つかぬことをきくようじゃがな」
と、お義兄さまのほうへ視線をむけてこられました。
「あんたの家の屋号は、むかしから和泉屋といっていられるが、……その和泉屋をひらいた一番のご先祖の名前は、ごしょうちかな?」
「くわしいことはしりませんが、たしか佐平治とか、申したようにきいておりますが」
「さ、それじゃよ、それであんたにもおわかりじゃろう?」
と和尚さんの目は、ふたたび博士のほうへむけられてきました。
「和泉屋佐平治、……それが恵善和尚にたのんで、その追善供養をいとなんだ、あんたの奥さんや健一さんのご先祖で、例のたったひとり左近将監のところからにげだした、若党の佐平治なのじゃ。これで、不審がはれなすったじゃろう? ……怪猫にしてみれば、憎さもにっくい左近将監一家のものは、ことごとく食い殺してしもうたが、たったひとり、左近将監に手をかして佐平治だけを、とりにがしてしもうたのが、無念で無念でならなかったのじゃろう。その佐平治の子孫が――つまりあんたの奥さんやあんたのことなのじゃが、こんどの屋敷へはいってこられたから、さっそく怨霊がたたりをはじめたのじゃろうと、こうわしは、ふんどりますのじゃ……」