Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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いきふどう

橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇

橘 外男

Lee 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) de 橘 外男 (たちばなそとお) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 198.400 caracteres · 387 pantallas

Aozora Bunko

でして、さぞ荒れていることと思いますが、なかなか広いお邸でして」

と茂十さんはまたお茶を入れ替えて、いかにも農家らしくお茶請けに菠薐草のお浸しなぞを添えてくれた。私にはそういう茂十さんの口占から、この土地を愛しながら愛する土地の人々にも病ゆえに肩身の狭い思いをして暮していた日野涼子の一家の、生前の侘しい生活が思いやられるような気持であった。

「病気をしていられるお方は、まことにお気の毒とは思うけんど、ああいう恐ろしい病気のお方はやはりどこか一つところに固まっていて戴く方が、村としてもいいんだけんど……そうも行かねいしなあ」

と茂十さんは亭主を見かえり顧みて苦笑した。これは最近妻をやはりこの病で失っている私にとっては、何となく痛い言葉であった。それを察したのであろう。

「茂十どんは村の衛生組合の方を今やっていられるのでして」

と亭主がとりなし顔にそう言った。どうもさっきから茂十さんの話はともすれば、村とか公共とかいう立場からの見方が多いように思っていたのは、なるほどこういうわけだったのかと私にも頷かれた。

「またああいう病気の方に限って、どうも透き徹るような美しいお方が多いもんでして、今から考えてみると、きっとその頃はまだ病気もそう進んでいられなかった頃だろうと思うですが、よく坊っちゃんをお連れになって……了雲