Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 178.724 caracteres · 355 pantallas
六 沈默をやぶって
ただその中で、いくらか彼の気持を明るくするものがあったとすれば、それは、朝倉先生に意外にも血書を書いたのを許してもらったことと、道江が大巻の家で安全に保護されるようになったことであろう。もっとも、この最後のことは、なぜか彼に淡い失望に似たものを同時に感じさせていたのである。
六 沈默をやぶって
それから二日たった。その間に四人の生徒代表は、何度もそろって校長室をたずね、県の回答を求めた。校長は、しかし、県当局ではまだ考慮中だと答えるだけで、一向要領を得なかった。
田上が、
「では、われわれも校長のお伴をして、われわれの気持を直接知事さんにお話ししたいと思いますが、どうでしょう。」
と言うと、校長は、例のとおり鼻を額の方に移動させ、――もっとも、これは梅本がよくよく観察したところによると、鼻のつけ根に急に横皺がより、鼻翼がつり上り気味にふくらむだけのことだったが――手をやたらに横にふって答えた。
「そんな非常識なことが出来るものではない。校長と生徒がいっしょになって知事閣下におねがいするなんて、そんなばかなことをどうして思いつくんだ。第一、生徒がそんなことを考えているということが、知事閣下のお耳にはいったら、もうそれだけで何もかもぶちこわしになってしまうじゃないか。