Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 178.724 caracteres · 355 pantallas
それは馬田だ。僕は彼を僕の敵として選ぶことについて、ある躊躇を感じないではない。しかし、今はその感情をぬきにして、彼を敵にするよりほかはない。それは、現在僕の身辺にまきちらされている不正の泡は、ほとんどすべて彼から出ているからだ。
僕は僕の敵をこの二つの外に選んでもならないし、そのうちの一つを敵から省いてもならない。僕は、この二つを敵に選ぶことによってのみ、僕の現在の危機をきりぬけることが出来ると信ずる。僕のこの考えは間違っているかも知れない。しかし現在のところ僕はそれ以上のことを考えることが出来ないのだ。僕はたしかに僕のベストをつくしている!」
*
こんな日記を書いたあとの次郎は、ほとんどふだんの次郎と変りがなかった。彼はしずかに寝た。俊三のいびきもさして苦にはならなかった。そして翌日からの彼の学校での態度には、どこかに昂然たるところがあるように思われた。
そのうちに、彼は、ある朝、兄の恭一と大沢から連名の絵はがきをうけとった。それには、
「いよいよ夏休みだ。すぐ帰省したいと思ったが、四年まえの筑後川上流探検のことを思い出し、今度は地図をもって、もう一度あの辺を歩きまわってみようということになった。