Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 178.724 caracteres · 355 pantallas
」
次郎は、馬田の最近の動静を、それでおぼろげながら窺うことが出来たような気がした。しかし、そのために、彼の不愉快さは一層つのるばかりだった。彼はあくまでも口をきかず、出された食べものにも手をつけようとしなかった。
それで少佐も夫人も次第に気まずそうな顔になり、おしゃべりもとだえがちになった。そして、とうとう夫人は次郎を尻目にかけるようにして、部屋を出て行ってしまった。
夫人が出て行ったあと、少佐はしばらく何か考えていたが、急に厳格な態度になって言った。
「きょう君にわざわざ来てもらったのは、少し立ち入ってたずねたいことがあったからだ。」
次郎は少佐をまともに見た。彼はきちんと姿勢を正していた。
「ゆうべ君はどこにいた。」
「うちにいました。」
「うちで何をしていたんだ。」
「友だちと会をしていたんです。」
「会というと何の会だ。」
「白鳥会です。」
「白鳥会というのは、これまで朝倉先生のうちでやっていたあの会のことか。」
「そうです。」
「それをどうして君のうちでやったんだ。」
「ほかにやる場所がなかったからです。」
「ほかにない? ふむ、……で会のある日は、いつもきまっているのか。