Clásicos japoneses con furigana
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
Lee 次郎物語 (じろうものがたり) de 下村 湖人 (しもむらこじん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 178.724 caracteres · 355 pantallas
大沢の左に恭一が居り、恭一と俊三との間に道江がいたのである。
誰もしばらくは口をきくものがなかった。四人は次郎の顔をのぞくようにして、彼が何か言い出すのを待っているかのようだった。次郎はいよいよ変な気がした。
「どうだった?」
大沢がとうとう口をきった。
「え?」
と、次郎はけげんそうな顔をしている。
「配属将校に呼ばれたんだろう。」
「ええ、呼ばれました。……知っていたんですか。」
「僕たち、朝倉先生を見送ってから、日進堂で立ち読みをしていたんだよ。」
日進堂というのは、駅前通りから曾根少佐の家の方にまがる角の本屋なのである。
「ふうん。」
次郎は、学校に引きかえさないで自分から曾根少佐の自宅を選んだことが、今さらのように腹立たしかった。
「どんな話だった?」
「ゆうべのことです。」
「やっぱりそうだったんか。」
四人は顔見合わせて、まただまりこんだ。次郎はすこし興奮しながら、
「僕、何もかもすっかり言っちゃったんです。いいでしょう。」
「言ったっていいさ。何も悪いことしたわけじゃないんだから。しかし、朝倉先生には気の毒だったよ。」
「先生がどうかされたんですか。」
「先生も、ゆうべのことで、憲兵の取調べをお受けになったんだよ。