Clásicos japoneses con furigana
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ひとうとうこうき
比島投降記
石川 欣一
Lee 比島投降記 (ひとうとうこうき) de 石川 欣一 (いしかわきんいち) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 68.333 caracteres · 134 pantallas
だが炊事場でも、また食堂でも、僕等を連れて行ったAさんという二世の曹長に声をかける者はあっても、「おい、その変てこな奴は何だい」といったり、敵意ないしは好奇心のまなざしを向けたりする人は、ただの一人もいなかった。僕等が反対の立場にあったとしたら、どんなことが起ったであろうか……何度も何度も考えたことだが、この時も僕はしみじみと考え込んでしまった。
明治の初年にわが国を訪れたE・S・モースは、随時随所で日本人の行儀のよさ、物腰のしとやかさ、「自分勝手でなく、そして他人の感情を思いやること」の深さに触れ、いく度か「またしても私自身に、どっちの国民(米国人と日本人と)の方が、より高く文明的であるかを訊ねるのであった」とその著書「日本その日その日」に書いている。モースの日本びいきは大変なものだが、あれ程観察の鋭い彼が、日本人のこの面に関してのみ、観察を誤ったとは思われない。日本人は確かにそうだったのであろう。「他人の感情を思いやる」―― Consideration for the feeling of others ――ことは、日本人の特色であり、日本人の間の日常生活では、ある時は度を越して、面倒臭くなる程度にまで重要視されるのである。