Clásicos japoneses con furigana
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さばくのうた
沙漠の歌
国枝 史郎
Lee 沙漠の歌 (さばくのうた) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 4571 caracteres · 10 pantallas
四
やがて憐れにもその娘も父母の後を追いました。
かんじんの娘が逝ってからも土人達は争をつづけました。そうして一人一人死んで行き遂々土人達は一人残らず滅びて行って了いました。
こうして幾年か経ちました。或時一人の旅人が、此のオーシスを過ぎりましたが、曾て娘の住んでいた小屋の前まで参りますとピッタリ足を止めました。何故足を止めたかと申しますに、その時旅人は自分の父母から幾度も聞かされた伝説を――即ち牧師の一人娘を多くの土人が争った為め一部落がすっかり滅びたという、そういう伝説を思い出し、自分が現在立っている此の土地が伝説に現われている部落だと云うことを知ったからです――旅人は小屋の中へ這入りました。と、楽器が其処にありました。で旅人はその楽器を小屋の背後に立っている林の中のサイプレスの幹へ、楽器の側に落ちていた楽譜と一緒に祀りました。
そしてそのまま旅人はその土地へ留まろうと決心し、壊れていた牧師館を修繕し、其処に住んだのでございます……その好奇の旅人というのは実は私でございます」
四
小屋の主人の話しが終った時、何故か私は悲しくなり、眼に一杯涙が湛まりました。