Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

ja-reading.com

Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.

しぶえちゅうさい

渋江抽斎

森 鴎外

Lee 渋江抽斎 (しぶえちゅうさい) de Mori Ōgai (森 鴎外) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 166.525 caracteres · 334 pantallas

Aozora Bunko

その百十四

家族関係の上に除きがたい障礙が生じたためである。

商業を廃して間暇を得た陸の許へ、稲葉の未亡人は遊びに来て、談は偶長唄の事に及んだ。長唄は未亡人がかつて稽古したことがある。陸には飯よりも好な道である。一しょに浚って見ようではないかということになった。いまだ一段を終らぬに、世話好の未亡人は驚歎しつつこういった。「あなたは素人じゃないではありませんか。是非師匠におなりなさい。わたしが一番に弟子入をします。」

その百十四

稲葉の未亡人の詞を聞いて、陸の意はやや動いた。芸人になるということを憚ってはいるが、どうにかして生計を営むものとすると、自分の好む芸を以てしたいのであった。陸は母五百の許に往って相談した。五百は思の外容易く許した。

陸は師匠杵屋勝三郎の勝の字を請い受けて勝久と称し、公に稟して鑑札を下付せられた。その時本所亀沢町左官庄兵衛の店に、似合わしい一戸が明いていたので、勝久はそれを借りて看板を懸けた。二十七歳になった明治六年の事である。

この亀沢町の家の隣には、吉野という象牙職の老夫婦が住んでいた。主人は町内の若い衆頭で、世馴れた、侠気のある人であったから、女房と共に勝久の身の上を引き受けて世話をした。