Clásicos japoneses con furigana
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たきぐち
滝口
山本 周五郎
Lee 滝口 (たきぐち) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 49.815 caracteres · 99 pantallas
園部金三郎と一族の米村平太夫が立ちあがって、鎌二郎を押し出そうとし、鎌二郎はこんどは声いっぱいに叫んだ。
「生きている者はごまかされても、死んだ者のたましいはごまかされないぞ、下賤な売女を囲っていながら、こんな殊勝らしい法要をしてみせる、死んだ姉の眼には見とおしだぞ、恥を知れ益村安宅」
終りの言葉は、押し出された縁側から聞え、金三郎と米村に押されて、そのまま玄関のほうへ遠ざかっていった。誰もなにも云わなかった。ははあ、と安宅は思った。みんな鎌二郎の云ったことを正しいと思っているんだな、噂はここまで弘まっていたんだ、鎌二郎が亡くなった姉のたましいなどを口にしたのは、姉のたましいが問題ではなく、おれの不行跡をあばきたかったのだろう、それにしては絶好の席でありいい機会だったというわけだ。そう思って安宅はひそかに苦笑した。――庄司の叔父は園部の人たちとの話に戻り、鵜殿の叔父も安宅との話を続けようとした。婦人たちは婦人たちで、やはりなにごともなかったように、やわらかい声で話したり含み笑いをしたりしていた。
――孤立無援、四面楚歌というところか。
安宅は心の中でそう呟いた。