Clásicos japoneses con furigana
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むめいさっかのにっき
無名作家の日記
菊池 寛
Lee 無名作家の日記 (むめいさっかのにっき) de 菊池 寛 (きくちかん) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 21.441 caracteres · 43 pantallas
もう一人の男は中田博士の質問に答えて、「モンナ・ヴァンナ」はメーテルリンクの小説だと答えていた。俺はやつら全体を軽蔑してやる。高等学校にいた頃には、教室も寄宿舎も、すべてが文芸至上主義で一貫されていた。芸術の名によって、すべてが許された。芸術の名によって、学課や教室を無視することができた。しかるに、ここの文科の教室の空気は、極度に散文的だ。一人として芸術の話をするやつがいない。高等学校出身の人たちは、たいてい病身のために文科を選んだとか、哲学科で一年落第したために、文科へ転じたという連中だ。高師出身の者にも、入学資格があるために、彼らは学士号を得るために、丹念にノートを作っているのに過ぎないのだ。文科的に自由な清新な空気は教室のどこにも存在しなかった。こんな連中を前にして、文学がどうの、芸術がどうのといっている中田博士は、まるきり豚に真珠を撒いているようなものだ。俺は、博士が気の毒になった。
十一月五日。
俺は今日偶然、同じクラスの佐竹という男と話をした。俺は今までクラスのやつをすっかり軽蔑していたが、あの男だけは決して俺の軽蔑に値していないことを知った。