Clásicos japoneses con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lee 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 327.364 caracteres · 638 pantallas
六
倉持家のために親切だとも思えるし、そうでもないように思えたりして、法律家であるだけに、頼もしくもあり不安でもあった。それも年を取るにつれて、金銭上のことは一切自分が見ることになり、手がけてみると、この倉持の動産不動産の大きな財産にも見通しがつき、曖昧な点はなさそうであったが、今までに何かされてはいなかったかという気もするのだった。
六
「おい、おい。」
玄関わきの廊下から、声をかけるものがあるので、寿々龍の銀子は目をさまし、振り返って見ると、それが倉持であった。
彼は駱駝の将校マントにステッソンの帽を冠り、いつもの通り袴を穿いていた。
「あらどうしたの、遅がけだわね。」
「むむ、ちょっと銀行に用事があって、少し手間取ったものだから、途中自転車屋へ寄ったり何かして……。」
河の上流にある倉持の家は、写真で見ても下手なお寺より大きい構えで、棟の瓦に定紋の九曜星が浮き出しており、長々しい系図が語っているように、平家の落武者だというのはとにかくとしても、古い豪族の末裔であることは疑えない。
「倉持さんの家へ行ってごらん、とても大したもんだから。」
寿々廼家のお神も言っていたが、銀子にはちょっと見当もつきかねた。