Clásicos japoneses con furigana
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しゅくず
現代日本文学館8 徳田秋声
徳田 秋声
Lee 現代日本文学館8 徳田秋声 (しゅくず) de 徳田 秋声 (とくだしゅうせい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 327.364 caracteres · 638 pantallas
結婚が円満に運ぶようにというのは嘘じゃないですかね。やっぱり梢さんは貴方が持って行かれた方がいいのじゃないですか。」
主任は突っ込んだ。
「いや、この結婚は順調に運ぶようにというのが私の本心なのです。清算するつもりだからこそ批判もしたので。」
庸三はこの恋愛のわずかにはかない虚栄にすぎないことも知っていたが、それも惨めな未練の変装だかも知れなかった。
電話のかかって来たとき、庸三はちょうど部屋にいて、今日あたり何か言って来そうな気がしていた。で、下宿の電話室へ行ってみるとやっぱり葉子の声だった。
「先生、私よ。今新橋にいるんですけれど、これからモナミへいらっしゃれない!」
その声はやはり耳に楽しかった。
「そう、行ってもいい。」
「じゃすぐね。きっとよ。」
葉子はおきまりを言って電話を切った。
庸三は部屋へ還って支度をしたが、しかし何となく億劫でもあった。火に生命を取られる虫のような焦燥もいつか失われていたので、電話の刺戟はあったけれど、心は煮えきらなかった。いつまでこんなことがつづくのかと思われた。
ちょうど晩飯時分だったので、まだ店を開いて間もないほどのモナミは人が一杯であった。