Clásicos japoneses con furigana
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ひきょうのにちりんき
秘境の日輪旗
蘭 郁二郎
Lee 秘境の日輪旗 (ひきょうのにちりんき) de 蘭 郁二郎 (らんいくじろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 84.829 caracteres · 169 pantallas
壁に消えた男
あすこで連絡をとっているようなやつは怪しいやつですよ、さっそく今日からひとつ、頼みたいんですがね、実は、僕が特に船艙の点検をやらしてもらってるのもそのためなんです、やつらの隠れ家はあすこか、甲板以外にはないわけですからね」
英夫は宮崎運転士の頼もしげな話と、観察に、すっかり共鳴して引受けることにした。
壁に消えた男
真夜中の何時ごろなのであろうか――。
英夫は賄部屋の方に、ことり……と、鼠のようなかすかな物音を聞いた。
船長がいったように、船は、颱風圏内に入りかけたらしく、わずかばかりの交替を残して、全員非常警戒の部署についている時だった。
宮崎運転士から頼まれてから、昼のうちに眠っておくことにして、夜の間は眠らずにいた。
そーっと、暗闇をすかして見ると、いつの間に忍びこんだのか、黒いインクのシミのような人かげが、賄場の隅に、うずくまっている。
船室は暗かったが、白く塗った鉄板に、かすかな水明りが、外からさしこんでいて室内がおぼろげに見えるのだった。
腕時計をすかして見ると十一時四十五分をさしていた。
ほんのわずかばかりではあったが、ゆうべの無駄な努力につかれて、寝こんだ間に忍びこんだものらしかった。