Clásicos japoneses con furigana
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ちゅうどく
聴雨・螢 織田作之助短篇集
織田 作之助
Lee 聴雨・螢 織田作之助短篇集 (ちゅうどく) de 織田 作之助 (おださくのすけ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 18.162 caracteres · 37 pantallas
四
「親も親なら、娘も娘だ」
どちらも正気の沙汰ではないと、礼子はむしろ呆れかえった。
夏の短夜は、やがて明け初めて来た。が、寿子は依然として弾いている。蚊帳の中の庄之助は鉛のような沈黙を守っている。余りだまっているので、寿子は、父はもう眠ってしまったのかも知れぬと、思った。が、それでも弾いていると、いきなり、
「出来た!」
蚊帳の中から、父の声が来た。
寿子はわっと泣きだした。パパはやっぱり起きて聴いていたのだ。――庄之助の眼も血走っていた。そして、涙をためていた。が、寿子には、その父の顔がはっきり見えなかった。その夜の内に、眼を悪くしていたのである。やがて、寿子は眼医者へ通わねばならなかった。しかし眼医者に払う金もないような貧乏暮しだった。寿子は眼医者に通う途中、少女雑誌を持って古本屋へ立ち寄り、金に換えねばならなかった。
四
やがて、寿子の腕は、庄之助自身ふと嫉妬を感ずる位、上達した。
十三で小学校を卒業して、間もなく、東京日日新聞主催の音楽コンクールが東京で行われた。
寿子は大阪で行われた予選で第一位を占めた。庄之助は、旅費を工面すると、寿子を連れて上京した。