Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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はなとひとのはなし

花と人の話

小川 未明

Lee 花と人の話 (はなとひとのはなし) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N3. Toca una palabra para ver el significado.

N3 · intermedio · kanji y kana modernos · 3600 caracteres · 8 pantallas

Aozora Bunko

アネモネの花は、その夜の華やかな有り様を見る勇気もなかったのです。水ももらわなかったから、二、三日して枯れてしまいました。

甲の身の上を空想しながら、花屋の店頭にあった二鉢のアネモネは、ある日、大学生が、前に立って、自分たちを見つめて居るのに気づきました。

「日あたりに出してやって、一日に二度も水をやればいいですか?」と、大学生は、きいていました。なんという気のつく学生だろうと、アネモネは思いました。

「こんな人が、私をつれていったら、私は、幸福だろう。」と、アネモネは思ったのです。

大学生は、乙のアネモネを買ってゆきました。

「さようなら。ご機嫌よう。」と、後に、ただひとり残された丙のアネモネはいって、乙を見送りました。

大学生のへやは、じつに乱雑で、書物や雑誌などが、取り散らされてありました。

それでも大学生は、アネモネを大事そうに、机の上にのせておきました。

大学生は、夜おそくまで、机の上に書物を開いて勉強をしました。そして、朝は起きるのが遅かったのです。

アネモネは、午後の西日が障子の上を照らすのを見たばかりで、自身は、日に照らされることがありませんでした。