Clásicos japoneses con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lee 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 410.131 caracteres · 824 pantallas
両手を前帯に突っこみ、金五郎の歩くままにしたがっていたが、老醜といってよい五郎のどす黒い顔には、さっきから、異様に複雑な表情が、狐火のように、あらわれたり、消えたりしていた。
「あんたは、お京さんの消息を知っては居らんでしょうね?」
「知って居りますとも」
と、言下に答えた。
「どこにいます?」
「浅草です。……なんなら、これから、一緒に参りやしょうかね?」
そして、二人は、電車に乗った。
浅草。
雷門から入ると仲店の美しさに、金五郎は眼を奪われた。狭い石甃の道をはさんで、両側に、あらゆる商店がならんでいるが、通常日なのに、まるで祭のようで、日本髪の美しい姿が、どの店にもちらほらしている。
金五郎はきょろきょろしているけれども、五郎の方は、(浅草なんぞ、珍しくもねえや)そんな仏頂面で、どんどん、観音堂の方へ行く。
「五郎さん、ちょっと、待って」
金五郎の呼ぶ声で、引きかえして来た。
「ちょっと、買い物をしたいから、……」
「お京さんへの土産なら、やめときなせえ。そんな心配は要らねえ」
「いや、それは、お京さんに逢うてからのことにするが……ちょっと」
お京はどうしているのか、さっぱりわからない。