Clásicos japoneses con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lee 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 410.131 caracteres · 824 pantallas
これ以上、まだ、あなたは、わたしらに、なにを堪えろというのかね? 若い男と女、惚れた脹れたの浮気はつきもの、一時の気まぐれとして、忘れてしまえば、ええじゃないですか」
「いえ、わたしは、けっして、そんな無責任なことで……」
「いくらいうても、同じじゃ」と、辻木が声を荒らげて、「もう、帰んなさい。一日そこに坐っとっても、百万べん頭を下げても、こればっかりは駄目じゃ」
「ねえや」と、夫人が、女中に「お客さまの下駄を揃えなさい」
「はあい」
取りつく島もなかった。
追い立てられるようにして、「竹の家」を出た。
力のない足どりで、黒板塀に添って行くと、曲り角にある勝手口のところに、姉の光三が立っていた。先廻りして、待っていたらしい。
「勝則さん、駄目やったらしいのね」
「うん」
「正面から行ったら、駄目に定まっとるわよ。それに、勝則さん、一言、あなたに聞かせておきたいことがあるわ。あなたは、まだ、お坊ちゃんじゃけん、すぐ人のいうこと信じるけんど、うちのお父さんやお母さんて、あなたの十倍も、百倍も、海千山千よ」
「そりゃあ、僕だって、知らんことはないけど、……」
「知らんことはない――なんて、なんにも知らん癖して。