Clásicos japoneses con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Lee 花と龍 (はなとりゅう) de 火野 葦平 (ひのあしへい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 410.131 caracteres · 824 pantallas
九月になって、家を変った。山手通二丁目に、すこし広い家を見つけて、移った。そこから、勝則は、毎朝、半纏がけで、沖の現場に通った。
朝食のとき、味噌汁を吸おうとすると、麩が入っている。もう、十日も、麩がつづいた。新妻は、近所の諸式商から買って来た麩の袋が、空になるまで、味噌汁に麩を入れるつもりらしい。
「おれを、金魚とまちがえとるんじゃあるまいな」
そういうと、良子は、ぱっと赤らんだ。
その翌朝は、豆腐になった。その翌朝は、大根。その次は、ネギ。それから、千変万化した。
九月二十四日、男の子が生まれた。闘志、と命名。
昭和五年が、暮れる。
玉井金五郎、五十一歳。
同マン、四十七歳。
同勝則、二十五歳。
同良子、二十歳。
暴力
「おうい、金さん、寄って行かんかあ?」
その声で、立ちどまった。
シャツ一枚の森新之助が、鉋屑の中に突っ立って、にこにこと、こちらを見ている。右手に小槌、左手に鑿を持っているのは、それまで、しゃがんで、なにかを彫っていたらしい。
「日若座」の再建は、着々とすすんで、普請場は活気を呈している。六月の強い太陽が新しい材木を光らし、聳え立つ高い屋根の梁に打ちつけられた、上棟式の板矢と幟とが美しい。