Clásicos japoneses con furigana
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おちぼひろい
落穂拾い・犬の生活
小山 清
Lee 落穂拾い・犬の生活 (おちぼひろい) de 小山 清 (こやまきよし) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 239.741 caracteres · 486 pantallas
」
「それはおれみたいな独りものは病気になったら都合が悪いもの。こんどは油断しちゃった。かぜってやつはたちが悪い。こっちの心の隙につけ込むんだから。かぜばかりじゃない。病気はみんなそうかも知れない。おれのようにびくびくした気持で暮らしていると、それがよくわかるんだ。」
嘉吉はおきぬの目色を見ながら、自嘲したような口振りで云った。
嘉吉は東京の下町の生れで、家は荒物屋をしていたが、三月十日の空襲があった際に、両親とひとりの妹を亡くした。嘉吉はそのまえの年に召集を受けて、東北の山の中で松の根っこを掘る仕事に従事していた。東京の災害の報知に接して休暇をもらい駈けつけたが、両親の妹の消息はわからなかった。敗戦後、当時同じ町に住んでいた人に逢って、はじめて肉親の死を知らされた。その後、いろんな職業に就いてみたが、これと云って習い覚えたもののない身は、なかなか安定した生活に這入れなかった。紙問屋には、それでも一年あまり勤めていたのだが、そこも首になったわけで、仕事が変るにつれて住居の方も転々とした。独り身だから、暢気なようなものの、心細い生活であった。紙問屋を首になってからはとかく屈託しがちな日を送るようになり、危く火事を出しそうになったときは、自分でもびっくりして、その後、おかみさんから立退きを迫られてからというもの