Clásicos japoneses con furigana
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らしんのにょせん
裸身の女仙
野村 胡堂
Lee 裸身の女仙 (らしんのにょせん) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 14.437 caracteres · 29 pantallas
年頃まで裸で育った山の娘
「あれッ、殿様」
「えッ、離せッ」
縋り付くお鳥を蹴飛ばして、源吉を追って、庭木戸の外へ。
相憎の月夜、五六間先へ、一散に逃げて行く源吉の後姿を隠す物の隈もありません。
年頃まで裸で育った山の娘
お鳥は、その赤い毛と碧い眼が変って居るように、世にも数奇な運命に弄ばれた女だったのです。
物心付いたのは、碓氷峠の奥、めったに人も通わぬ炭焼小屋で、岩吉という、山猿のような男の世話になっている時でした。
世話になって居る――というのは本当で、お鳥自身は何処で生れたか知りませんが、兎に角岩吉の子で無かったことは事実で、二人は、全く顔形ちが似ないばかりでなく、岩吉は、山人の仲間でも評判の醜い独り者で、女房というものを持ったことの無い男だったのです。
お鳥は、猿の子のように、一年の半分は裸体で育ちました。岩から岩へ、木から木へ、山の餌を猟って、山の獣達と一緒に何んの苦労もなく生い立ったのですが、髪の毛が房々と延び、双つの乳房が、こんもり盛上って、四肢に美しい皮下脂肪が乗り始める頃から、身を切られるような、恐ろしい羞恥に悩まされ始めたのでした。
岩吉は、ろくに着物を着せてはくれませんでした。