Clásicos japoneses con furigana
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らしんのにょせん
裸身の女仙
野村 胡堂
Lee 裸身の女仙 (らしんのにょせん) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 14.437 caracteres · 29 pantallas
峠には、時々狼が出て、旅人を悩ました時代です。野宿の軽業一座は、夜通し火を焚いて、交る交る番人を置きましたが夜中から暁方かけて、焚火を見張らされたのは、一座の花形で源吉という綱渡りの少年でした。
ツイ、うとうととした眼を開いて、夜の明けるまで、もう一と焚き――と立ち上ると、
「あッ」
眼の前へ、赤い毛をした、裸形の娘が、人懐かしそうに立っているではありませんか。
「親方、た、助けてッ」
二度目の少年の声を聞くと、親方の源太夫を始め、二三の屈強な男が、手廻りの得物を携えて飛出しました。
が、焚火の前に、しょんぼり立っているのは、妖怪変化でも山の狼でもなく、一糸も纏わぬ処女――神々しいばかりに美しいのが、碧い眼を据えて、物に驚く風情に、ジッと此方を見詰めて居るのでした。
話せば、長くなりますが、――こうしてお鳥は、源太夫の一座に拾われ、言葉と、芸と、いろいろの智恵を仕込まれて、一年の後には、一座の花形、鳥太夫と名乗って舞台に立って居たのでした。
それから三年経ちました。
ふとした事から、お鳥の異国的な美しさを見た、三千石取の旗本、安城郷太郎と言う中年の武家が妻を喪なったばかりの淋しさもあったでしょう。