Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
『さいゆうき』のゆめ
『西遊記』の夢
中谷 宇吉郎
Lee 『西遊記』の夢 (『さいゆうき』のゆめ) de 中谷 宇吉郎 (なかやうきちろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 8947 caracteres · 18 pantallas
子供の頃読んだ本の中で、一番印象に残っているのは、『西遊記』である。
もう三十年も前の話であり、特に私たちの育った北陸の片田舎には、その頃は子供のための本などというものはなかった。
子供たちは、大人の読み古した講談本などを、親に叱られながら、こっそり読んでいた。その頃盛に出ていた小波氏の「世界お伽噺」のようなものも滅多に手に入らなかった。
あの一冊十銭かの本は、たしか全部で百冊あったはずである。もう何回となく読みかえしたそのうちの一冊の末尾には、百冊の題目がずらりと並んでいた。その題目の一つ一つが少年の心には、あらゆる空想の種であった。これらの百冊の題目は、見開き二頁にぎっしり詰っていた。その二頁に、私たちは、いつまでもあかず見入っていた。気に入ったお馴染の題目のいくつかは、その紙面からずっと浮き出して見えた。そしてその活字の蔭に、古い城だの、碧い湖だのの姿が揺曳していた。
そういう頃に、私は帝国文庫の『西遊記』を見つけた。私は町の小学校へはいるために、小学一年の時から町へあずけられていた。その家は旧士族の旧い家柄の家であった。そこには帝国文庫だの、それに類した本が十冊近くもあって、それがあこがれの的であった。