Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(七)平次女難

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(七)平次女難 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 152.696 caracteres · 310 pantallas

Aozora Bunko

「…………」

「お前は、物腰が上品だからというので、お局のお六と言われた、名代の女道中師だろう。今まで積んだ悪業の数々、それが、砂文字を消すように、綺麗になると思っているのかい」

平次はとうとう、言うべきことを言ってしまったのでした。

「では、私も申します、――銭形の平次親分さん」

「え?」

「それくらいのことを知らずに、大それたこんな芝居は打てるでしょうか、――私はいかにもお局のお六に相違ございません。――でも、今晩小田原の旅籠屋にいらっしゃれば、銭形の親分は、間違いもなく殺されなすったはずですよ」

「…………」

「仲間は正亥刻半(十一時)を合図に五人で斬り込むはず、それがいけなければ、鉄砲ぐらいは持出し兼ねません。今頃は親分の姿が見えなくなって、さぞ大騒動をしていることでしょう」

「そいつは本当か」

「今さら駆引をいう私ではございません。そのうちに、仲間が私の足跡を嗅いで、ここへ来ると事面倒になります。一私は一と走り、方角を外れさして来ましょう。ここを動いてはなりません、親分」

お六は命令する調子で言うと、

「待った」

平次の声を耳にもかけず、

ヒラリと山道の闇の中に姿を隠しました。