Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(八)お珊文身調べ (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 143.455 caracteres · 290 pantallas
お崎は思いの外ハキハキしております。そう言われるとどこかで見たことのあるような、――美しいというよりは、愛くるしい、聡明そうな顔立ちが人を牽付けます。
「そんなこともあったね」
しばらく江戸中の神社仏閣を荒らし廻って、古文書、古写経、古版の経文から、本尊の仏体仏具まで手当り次第に盗み歩いた不思議な怪盗の詮索に、谷中の寺町まで来たことのあるのを、平次も思い出したのです。
「ところで、いろいろ聴きたいことがあるが、父親の死んだことについて、何か腑に落ちないことでもあるのかい。――八五郎に、親の敵を討ちたいと言ったそうだが」
平次は静かな調子で、お崎の話を引出しにかかりました。
「あんなに機嫌のいい父親が、死ぬ気になるはずはありません。それに」
「……?」
「私には不思議なことばかりでした」
「最初から順序を立てて話して貰おうか」
処女の感傷を整理して、平次はお崎の話に筋道をつけて行くのでした。
それによると、――老巡礼百松が、変な掛け合いに来るのは、お崎もかなり神経を痛めた様子で、その誘拐された娘のお染とやらのことを、もう一度詳しく訊く心算で、一昨日思い切って老巡礼の後を跟け、話しかける折もなく、柳橋を渡って両国まで出てしまったというのです。