Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 141.130 caracteres · 288 pantallas

Aozora Bunko

「…………」

「鉄心道人というのは、なかなかの偉物らしいが、女を男に仕立てて、庵室へ寝泊りさせるようじゃ、大した活き仏さまでもあるまい。鉄童が逃げ出したのは、大方この平次に女と覚られたと感づいたためだろう」

平次の言葉には、判官の烈しさと、人間らしい思いやりとがありました。

「それじゃいよいよ以て、あの鉄童が怪しいじゃないか。自分が女なら、お小夜のような凄い女が入って来るのを、黙って見ている気にはなるまい」

三つ股の源吉は、新しい論理を組み立てました。

「その通りだ。俺も鉄童が女と判ったとき、よっぽど引っ立てようかと思ったが、お小夜を殺したのはどうも鉄童らしくない。宵のうちの人目を避けて、坊主頭があの路地へもぐり込めそうもないからだ」

「頭巾を冠って、浅川団七郎に化けるとしたら?」

源吉の想像はすばらしい飛躍を遂げました。

「俺もそれを考えている。庵室から出ないというのは、鉄心道人の言葉だけだから、信用は出来ない。――とにかく、――八五郎が帰って来て、浅川団七郎の素姓と居所が判りさえすれば、目鼻が付くと思う」

平次はそればかりを頼みにしている様子です。が、八五郎が帰って来たのは、その日も暮れて、平次がもう諦めて神田へ引揚げようという時でした。