Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡

野村 胡堂

Lee 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 141.130 caracteres · 288 pantallas

Aozora Bunko

四

道楽者によくある、ちょっと憎めない男振りです。

平次は黙って背を見せます。

四

「親分、あの野郎じゃありませんか」

「判らないよ」

「千住へ行って聴いてみましょうか、本当に浜夕とかに通っているかどうか」

八五郎は諦め兼ねた様子です。

「大熱々だろうよ、念のため行って聴いてみるもいいが、――金費いがどんな塩梅だか、そいつが一番大事だぜ」

「それじゃ親分」

八五郎は飛んでしまいました。そこから今戸までほんの一と息、平次の足は自然に、菱屋の大番頭の倅で、手代をしていたという、清次郎の小間物屋に向っております。――この辺かしら――と思ったのがピタリと当って、小さい店には、十七八の可愛らしい娘がお仕事をしながら店番をしておりました。

「清次郎はいるかい」

黙って仰いだ娘の顔は、活き活きとした典型的な下町娘です。少し浅黒い顔、長い眉、よく通った柔かい鼻、その下の唇が近くて、頬が引緊って。

「神田の平次だよ、――少し訊きたいことがあって来たんだが――」

「町内の湯屋へ行きました。もう帰る頃ですが――兄さんは癇性で、夜の湯へは入れない人ですから」

お半は弁解するように言って、お仕事を片付けます。