Clásicos japoneses con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十五)茶碗割り
野村 胡堂
Lee 銭形平次捕物控(十五)茶碗割り (ぜにがたへいじとりものひかえ) de 野村 胡堂 (のむらこどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 109.804 caracteres · 225 pantallas
殺した奴は染吉の財布ばかり覗いた。その中の物をみんな奪ったのは、小粒や、青銭まで欲しかったわけじゃああるまい。下手人は、染吉の持っているこの贋物の小判を奪るつもりだったかも知れない」
「…………」
飛躍する平次の天才、その推理の塔の積み重なるのを、八五郎は呆気にとられて聴き入るばかりです。
「ところが、染吉は用心して、大事の小判を煙草入の中へ入れた。――羅紗の結構な紙入を持っている人間が、腰にブラ下げる煙草入などに小判を入れるはずはない。その煙草入は三両や五両で買えるような品じゃないんだから、不用心ばかりでなく煙草入もいたむ」
「…………」
「八、こいつは面白くなったぞ」
「何が面白いんで? 親分」
八五郎は四方をキョロキョロ見廻します。二月の陽は縁側にカッと射して、貧しい平次の住居を隈なく照らし出しますが、別に八五郎の眼には、面白くなるようなものもありません。
「染吉は贋金造りか、贋金遣いを知っていたのかも知れない。――縫箔屋を止してノラクラ者になった染吉が、こんな贅沢な暮しをしているところを見ると、どうかしたら、染吉もその贋金遣いに関係を持っていたのかも知れないよ」