Clásicos japoneses con furigana
ja-reading.com
Lee clásicos japoneses en línea con furigana. Filtra por nivel JLPT, toca una palabra para ver el significado y traduce una frase.
あおべかものがたり
青べか物語
山本 周五郎
Lee 青べか物語 (あおべかものがたり) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 160.888 caracteres · 317 pantallas
縁台の人たちはぜんぜんなにも気づかなかった、将棋に負けた若い船頭の一人が、駒を投げだして大きな欠伸をし、「おらも一杯やんべえかな」と云った。そのすぐあとに、つまり若い船頭が一杯やるかなと云って立ちあがったとき、突然その騒ぎが起こったのである。
「逃げるな」という叫びで、その騒ぎは始まった、「逃げてもだめだぞ、顔はわかってるぞ」
縁台の人たちは総立ちになった。
その叫び声は三十二号船から聞えて来た。いってみると、船の舳先や艫や、船室の周囲のあゆみで、人が右に左に走りまわってい、船板を踏み鳴らす音に続いて、高い水音が聞えた。
「手入れだ」と漁師の一人が云った、「博奕を嗅ぎつけられただな」
月光の下で、黒い人影はすばやく走りまわっていた。さっきの水音は誰かが川へとびこんだのであろう、一人はもやってあるべか舟へとび移り、櫂を取って漕ぎだそうとした。両手で持った櫂に全身の力をこめて突っ張るのだが、べか舟は横揺れをするばかりであった。
「こら戻れ」と三十二号船の舳先のところで、一人の男(それは私服の警官だった)が叫んでいた、「逃げてもだめだ、戻って来い」
べか舟の男は振り返って相手を見、べか舟が少しも動いていないこと、そして、それがまだもやったままであることに気づくと、おそまきながら、櫂を持ったまま川の中へとびこんでしまっ