Clásicos japoneses con furigana
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あおだけ
青竹
山本 周五郎
Lee 青竹 (あおだけ) de 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) en japonés con furigana. JLPT N1. Toca una palabra para ver el significado.
N1 · avanzado · kanji y kana modernos · 14.622 caracteres · 29 pantallas
四
四
直孝を預かったのは箕輪在の庄屋だった。べつに館をつくるまでもなく、庄屋の家族とおなじ構えのなかで育てられたが、のちに余吾源七郎が守役として来、小者三人が付けられた。直孝が十歳のとしの早春のある夜、ふたりの賊がその屋敷へ押し入って来た。それと知ったなおたかは寝衣のまま、枕頭の太刀をとってはね起き、大喝しながら賊へ斬ってかかった、賊は抜き合せたが、その勇に恐れて庭へとびだした、直孝はそれをひっしと追いつめ、一人を斃したうえ一人の高腿を斬りはなした、そこへ小者や庄屋の家僕たちが駆けつけて来て、傷ついた賊を生捕りにした。……守役の源七郎はこれだけの事を、縁側に腰をかけて見ていたという、「縁側に腰をかけて」というのは誇張であろうが、黙って見ていたのは事実だった。それが小者の口から城中へ知れたので、かれは直政に呼びつけられてきびしく叱責された。かれはなにも弁明はしなかった、どこまでも低頭して詫びるだけだった、すこしも悪びれないその態度がよかったので、そのときはそれで済ませたのである。……しかし今、玄蕃に問い詰められてようやく戦場の覚悟を申し述べたように、守役としてなにか考えることがあったのではないか、直政はふとそう思いついたのである。