Clásicos japoneses con furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lee 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 119.879 caracteres · 242 pantallas
私が深夜一時頃、時々酒を飲みに行く十銭スタンドがあった。屋台のような構えになっているので二時三時頃まで営業してもめったに巡査も怒らない仕組で、一時頃酒が飲みたくなる私には都合の良い店であった。三十ぐらいの女がやっており、客が引上げると戸板のようなものを椅子の上へ敷いてその上へねむるのだそうで、非常に多淫な女で、酔っ払うと客をとめる。けれども百万の人にもましてうすぎたない不美人で、私も時々泊れと誘われたが泊る気持にはとてもならない。土間に寝るのが厭なんでしょう、私があなたの所へ泊りに行くからアパートを教えて、と言うが、私はアパートも教えなかった。
この女には亭主があった。兵隊上りで、張作霖の爆死事件に鉄路に爆弾を仕掛けたという工兵隊の一人で、その後の当分は外出どめのカンヅメ生活がたのしかった、とそんな話を私にきかせてくれた。無頼の徒で、どこかのアパートにいるのだが、女は亭主を軽蔑しきっており、客の中から泊る勇士がない時だけ亭主を泊めてやる。亭主は毎晩見廻りに来て泊る客がある時は帰って行き、ヤキモチは焼かない代りに三、四杯の酒と小づかいをせびって行く。