Clásicos japoneses con furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lee 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 119.879 caracteres · 242 pantallas
巡回の途次ではなくて、家路へ急ぐとでもいう風であった。従而、そういう途次に目をつけて訊問せずにいられなかったという訳だから、嫌疑が深くて、いっかな放してくれなかった。
高木は何事も私にまかすという風があるのに、こういう時だけは私を抑えて頻りに答弁するのである。その理由は私の答弁が無礼そのもので警官の反感をかいやすいからだというのであるが、高木は小柄で色白のひよわな貴公子の風がありながら、音声が太く低くて、開き直って喋る時は落着払っていて洵に不逞の感を与える。代り栄えがしないのである。
私達は道端の電柱の下へ自然に寄った。私は言葉を封じられて退屈して何本となく煙草を吸い、右を走る電車を見たり、左を駈けぬける自動車のあとを眺めていたが、警官は時々私を呼んで所持品を調べたり、どういうわけだか掌を調べた。
「あなたは手相もおやりですか」と私が余計なことを言った。
「うっふっふっふ」
突然楽しくてたまらないように高木が笑いだした。一見子供子供した全身に、どうにでも勝手にしろという図太さが、一際露骨に表れていた。私がひやりとしているうちに、
「いったいどういうことを証明したらあなたは釈放してくれるのですか」