Clásicos japoneses con furigana
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いずこへ
風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇
Lee 風と光と二十の私と・いずこへ 他十六篇 (いずこへ) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 119.879 caracteres · 242 pantallas
。私の母が矢田さんを親愛したのも、そのつながりがあるせいであり、矢田さんの母が私を愛してくれたのも、第一には、そのせいだった。私は遊びに行った始めての日、母と娘にかこまれ、家族の一人のような食卓で、酒を飲まされて寛いでいた。
その日、帰宅した私は、喜びのために、もはや、まったく、一睡もできなかった。私はその苦痛に驚いた。ねむらぬ夜が白々と明けてくる。その夜明けが、私の目には、狂気のように映り、私の頭は割れ裂けそうで、そして夜明けが割れ裂けそうであった。
この得恋の苦しみ(まだ得恋には至らなかったが、私にとってはすでに得恋の歓喜であった)は、私の始めての経験だから、これは私の初恋であったに相違ない。然し、この得恋の苦しみ、つまり恋を得たために幾度かが眠り得なかった苦しみは、その後も、別の女の幾人かに、経験し、先ほどの二人の女のいずれにも、その肉体を始めて得た日、そして幾夜か、睡り得ぬ狂気の夜々があった。得恋は失恋と同じ苦痛と不安と狂気にみちている。失恋と同じ嫉妬にすら満ちている。すると、その翌日は手紙が来た。私はその嬉しさに、再び、ねむることができなかった。