Clásicos japoneses con furigana
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かぜはささやく
風はささやく
小川 未明
Lee 風はささやく (かぜはささやく) de 小川 未明 (おがわみめい) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 3961 caracteres · 8 pantallas
高窓の障子の破れ穴に、風があたると、ブー、ブーといって、鳴りました。もう冬が近づいていたので、いつも空は暗かったのです。まだ幼年の彼は、この音をはるかの荒い北海をいく、汽船の笛とも聞きました。家から外へ飛び出して、独り往来に立っていると、風が、彼の耳もとへ、
「明日は、いいことがある。」と、ささやきました。
「そうだ、きっとお父さんが、明日帰っていらっしゃるのだ。」
彼は、希望を持って、明るくその一日を過ごすのです。
彼の生まれた町は、小さな狭い町でした。火の見やぐらの頂に、風車がついていて、風の方向を示すのであるが、西北から吹くときは、天気がつづいたのであります。空き車の上へ馬子が乗って、唄などうたい、浜の方へ帰る、ガラ、ガラという、轍の音が、だんだんかすかになると、ぼんやり立って、聞いている彼の耳もとへ、風は、
「明日は、いいことがある。」と、ささやくのでした。
すると、急に彼の目は、喜びに燃えるのでした。
「そうだ、明日は、お客さまがあるのかもしれない。」
まれに、彼の家へ珍しい客があって、おもしろい話をしてくれるのを、彼は、どんなにうれしく思ったでしょう。