Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ひだのかいだん

飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選

岡本 綺堂

Lee 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.271 caracteres · 263 pantallas

Aozora Bunko

権次は畚から降り立って、合図の綱を強く曳くと、上ではおうと答えて、畚をするすると繰上げた。

「用心しないと不可い。何処からか石を投げる奴があるぞ。」と、巡査は注意した。権次は首を縮めて岩のかげに隠れた。

つづいて第二第三の畚が卸されて、穴の底にも大勢の味方が殖えた。もう斯うなっては、隠れたる敵も恐怖を作したのであろう、何等危害を加えようとも為なかった。人々は持ったる松明を揚げて四辺を窺うと、そこには鬼の如きお杉婆の死顔と、猿の如き山の亡骸とを発見した。

此上の手続は委しく記すまでもあるまい。権次が一旦上まで引返して、一同に其始末を報告した上で、三個の亡骸は畚に乗せて順々に引揚げられた。第一は安行、第二は※(「けものへん+操のつくり」、第4水準2-80-51)であった。最後に乗せられたお杉の亡骸は、既に頂上まで達いたと思う頃、何うした機会か其畚は斜めに傾いて、亡骸は再び遠い底へ真逆様に転げ落ちた。更に畚に乗せて再び吊上げると、今度も亦中途から転げ落ちた。お杉の霊魂は此窟を去るのを嫌うのであろう。が、何うしても其儘には捨置かれぬので、最後には畚に緊と縛り付けて、遂に彼女を上まで運び出した。