Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ひだのかいだん

飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選

岡本 綺堂

Lee 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.271 caracteres · 263 pantallas

Aozora Bunko

商売が商売だから、丸ッきり飲まねえわけにも行くめえが、女のくせに大酒をのむ、掴み合いの喧嘩をする……。

おつや およしなさいよ、他人様の前でそんな色消しなお噂は……。そういうのを流言蜚語とか云って、この頃は警察の取締りが非常にやかましいんですよ。さあ、口塞げに、白いおじさんにももう一杯……。(重兵衛に酌をする。)あたし達ばかり勝手なことを云って飲んでいちゃあ、それこそ失礼だわ。(旅人に。)さあ、あんたも召上れ。何を陰気らしく考えているのよ。

旅人  いや、わたしは飲まないんです。

おつや 飲まないのに、どうしてこんな大罎を買い込んだの。

旅人  水の代りに買ったんです。

おつや 水の代りなら、サイダーでも買えばいいじゃありませんか。嘘、嘘……。あんた屹と飲むのよ。さあ、がら金に恥を掻かせないで、愉快にサアビスをさせて頂戴よ。

旅人  いや、せいぜいが一杯ぐらいで、その上はまったく飲めないんです。わたしは野暮な人間で……。

おつや 嘘つき……。(睨む。)あんたが野暮天か道楽者か、その見分けが付かないようで、憚りながら芸妓の鑑札を持っていられるかって云うんだ。モダンの富士詣でのような風をしていても、あんたがどんな人間か、眼力ひからす松王丸がちゃんと睨んでいるわ。