Clásicos japoneses con furigana
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ひだのかいだん
飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選
岡本 綺堂
Lee 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.271 caracteres · 263 pantallas
暇がない。そこで私も考えた、自分の職業は画工である、斯る怪異を見て唯怖い怖いと顫えているばかりが能でもあるまい、其の怪しい形の有のままを筆に上せて、いかに其れが恐しくあったかと云う事を他人にも示し、また自分の紀念にも存して置こうと、いしくも思い立ったので、其日から直ちに画筆を把って下図に取かかった。で、わが眼の前に絶えず彷彿く怪しの影を捉えて、一心不乱に筆を染めた結果、何うやら斯うやら其の真を写し得て、先ず大略は出来した頃、丁度私と引違えて彼の別荘へ避暑に出かけた貴族エル何某が、其の本邸に帰ったという噂を聞いたので、先日の礼かたがた其の邸を初めて訪問した。主人のエルは喜んで私を応接間へ延いて、「過日は別荘の方へ御立寄下すったそうでしたが、アノ通りの田舎家で碌々お構い申しも致さんで、豪い失礼しました」と鄭寧な挨拶、私は酷く痛み入って、「イヤどうも飛んだ御厄介になりました、実はモウ四五日もお邪魔をいたす筈でしたが、宅の方に急用が出来ましたので、早々にお暇いたしました」と、口から出任せの口上、何にも知らぬ主人は首肯いて、「ハアそうでしたか、私もお跡から直に別荘へ出かけましたが、貴方はモウお帰りになったと聞いて、甚だ失望しました、併し幸い今日は何にも用事もありませんから、ゆるゆるお噺でも伺い