Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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ひだのかいだん

飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選

岡本 綺堂

Lee 飛騨の怪談 新編 綺堂怪奇名作選 (ひだのかいだん) de 岡本 綺堂 (おかもときどう) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 130.271 caracteres · 263 pantallas

Aozora Bunko

四辺が薄暗いので正体は知れぬが、人ならば先ず十五六歳の少年かとも思われる。髪を颯と振乱して、伸上りつつ長い手をお杉の肩にかけた。小児が親に甘えるように……。

「どこへ行くんだえ。」と、お杉は顧って、「お前、里へ行くなら頼みたい事が有るんだよ。」と、彼の耳に口を寄せた。

怪しの者は首肯いて、忽ちひらりと飛び出したかと見る中に、樹根岩角を飛越え、跳越えて、小さい姿は霧の奥に隠れて了った。お杉は白い息を吐いて呵々と笑った。

「阿母さん、阿母さん。」と、重太郎は思い出したように声をかけた。

「何だえ。」

「お前は十日の中に死ぬと云ったね。俺ア先刻も約束した通り、必然其仇を取る。其代りお前にも頼んで置くことが有るんだ。お前が居なくっても、俺が困らない様に……。」

「だから、宝の在所を教えて置いたじゃアないか。あれさえ有れば些とも困ることは無いよ。」

「そればかりじゃア無い。」と、重太郎は少しく云い淀んで、「あの、俺に嫁を貰って呉れないか。」

「嫁……。」と、お杉は寂しく笑った。

「むむ。実は俺ア嫁に貰いたい女があるんだ。阿母さん、知ってるかい。」

母は黙っていた。重太郎も流石に面目が悪いか、燃未了の薪を撥りながら、