Lectura en japonés

Clásicos japoneses con furigana

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もちのタタリ

餅のタタリ

坂口 安吾

Lee 餅のタタリ (もちのタタリ) de Sakaguchi Ango (坂口 安吾) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.

N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 8869 caracteres · 18 pantallas

Aozora Bunko

餅を落した泥棒

土地によって一風変った奇習や奇祭があるものだが、日本中おしなべて変りのないのは新年にお餅を食べ門松をたてて祝う。お雑煮の作り方は土地ごとに大そうな違いはあるが、お餅を食べ門松をたてて新春を祝うことだけは日本中変りがなかろうと誰しも思いがちである。

意外にも、新年にお餅も食べず門松もたてない村や部落は日本の諸地にかなり散在しているのだが、上州には特に多い。その上州でもある郡では諸町村の大部分が昔から新年を祝う風習をもっていない。それでも、ま、新年のオツキアイだけは気持ばかり致しましょう、というわけか、三※日だけウドンを食べる。

もともと上州の人たちは好んでウドンをたべる。農村では米を作りながら自分はウドンの方を喜んで食ってるという土地柄であるから、新年にウドンを食ってもふだんと変りがないようなものだ。むしろ新年のウドンの方がふだんのウドンよりもまずいぐらいで、テンプラウドンやキツネウドンにくらべると大そう風味が悪いような特別な作り方のウドンを三※日間というもの三度々々我慢して食べてる。まったく我慢して食べてるとしか云いようがないほど味気ない食膳で、ふだんの方がゴチソウがあるのだ。