Clásicos japoneses con furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lee 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) de 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) en japonés con furigana. JLPT N2. Toca una palabra para ver el significado.
N2 · avanzado · kanji y kana modernos · 192.693 caracteres · 377 pantallas
けれども幕府から出陣の命は蒙っているので、僅に一里半隔てた城下ながら、世子も帰ることが出来ない。そこで、陣移しの名儀で城下から半里の西山の麓の辻、沢という両村へ引揚げて、庄屋の宅を本陣とした。我々どもも附近の人家を徴発して下宿した。そうして今まで近島にいた軍隊は三津浜まで引揚げた。しかのみならず今度は反対に長州兵が攻めて来るかも知れぬというので、海岸の要所要所へ俄造りの砲台を構えて、新古取交ぜの大砲を据え付けて、幾らかの兵を配置した。尤も三津浜には早くより不充分ながら砲台が出来ていて、三十六磅という大砲をすえ付けていた。私どものいる辻、沢村は城下と目と鼻の間であるが、それでも家族の往来は勿論、書状の一通も取交せはせない。これは武門の習いで、出陣すれば全く家のことを忘れるということから来たのだ。けれども家来などの使いは漸々と往来することになって、私の好きな食物位は祖母から送ってくれたこともあった。
そのうち家茂将軍は薨去せられるし、孝明天皇も崩御遊ばされたので、休兵という達しがあったから、世子も終に城下へ引揚げられて、二の丸へ帰住せられた。そうして我々も自宅へ帰って再び家族に対面した。